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国際安全保障論


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  • 講座番号:ga003
  • 受講開始日:2014年6月16日
  • 想定される勉強時間/週:5時間程度

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講座内容

この講義では国際関係、とくに昨今の日本を取り巻く安全保障環境を理解するために、国際政治学における主要な理論や実証的な知見を概観する。安全保障の戦略的環境は戦争の影、つまり武力行使の可能性によって特徴付けられる。よってこの授業では以下の4つの論点について講義を行う。

(1)戦争の(政治的)原因のミクロ的基礎を理解するための戦争に関するパズルとその解としての戦争原因のモデル。クラウゼヴィッツの戦争の定義から、戦争とは何かを理解し、その原因を探ることで、なぜある国は軍事的な挑発行動をとり、なぜ核開発を行い、またなぜ領土紛争は武力行使へのエスカレートしやすいのかを説明する。

(2)政府や政治指導者が直面する国内政治上の諸問題や利害関係、そして国内の政治過程を規定する政治制度は、政府の外交政策の策定や履行に大きな影響を与える。それは時に国際紛争を誘発し、また時には紛争の平和的解決を促進しうることを論じる。

(3)国家が自国の安全保障を図る際に、軍事的緊張や武力衝突の発生を予防し、さらに既存の秩序や平和といった現状を維持しようとする施策は抑止である。抑止には核兵器を背景とした核抑止と、通常兵器を想定した通常抑止の二つの論理が存在する。ここでは冷戦期から今日に至る核戦略の変遷を辿り、また米軍の抑止力に依存する日本の拡大抑止政策の成否に関する実証結果を概観する。

(4)軍事同盟は国家が採用する安全保障政策の最も伝統的な選択肢であり、日本の防衛政策は日米同盟に深く依存する。しかし、国際政治学の理論から眺めると同盟を締結することの合理性には疑義が生じる。更に、沖縄の基地問題など大きな国内的な政治問題の原因ともなっている。それにも関わらず、なぜ日本政府は同盟を堅持するのであろうか。逆説的ではあるが、同盟は大きな政治リスクを抱えるからこそ機能しうることを解き明かす。近年の国際政治学は、ゲーム理論を採用することで、多くの理論が書き換えられている。

この講義ではその成果を取り入れつつ、実証研究での知見に裏打ちされた新しい国際政治学の論理を用いて、これら4つの論点を解き明かしていく。

学習目標

  • 国際政治、とくに昨今の日本を取り巻く安全保障環境を理解するため求められる国際政治理論上の概念や用語の習得
  • 日本の安全保障上の諸政策の仕組みとその効果に関して、適切な説明をあたる力の習得
  • 国際政治の諸問題に関する様々な言説・主張を、論理と証拠に基づき、評価・相対化する力の習得

講義計画

第1週:戦争の原因
  1. なぜ戦争か?戦争の定義
  2. 交渉失敗としての戦争(クラウゼヴィッツのパズル)
  3. 戦争原因としての不確実性(軍事的挑発)
  4. 戦争原因としてのコミットメント問題(予防戦争と核開発)
  5. 戦争原因としての分割可能性(領土紛争)
第2週:国内政治と国際紛争
  1. 国際政治と利益集団
  2. 国内政治による紛争リスク(陽動作戦)
  3. 国内政治による平和 (民主主義と戦争)
第3週:抑止と安全保障
  1. 抑止の類型
  2. 拡大緊急抑止成否の決定要因
  3. 核兵器と核革命
  4. 核抑止戦略とミサイル防衛
第4週:同盟と安全保障
  1. 日本の安全保障と日米同盟
  2. 同盟機能の二面性
  3. 同盟のパズル
  4. シグナル問題と沖縄基地問題

講師・スタッフ紹介

Course Staff Image #1

栗崎 周平

早稲田大学政治経済学術院准教授。上智大学法学部卒業後、UCLAにてPh.D.(政治学)を取得。ハーバード大学ジョン・オーリン戦略研究所国家安全保障フェロー、テキサスA&M大学政治学部助教授を経て、現職。専門は戦争の原因など安全保障問題の理論・実証研究。大学では国際政治学、安全保障論、数理政治学などの講義を担当。

Course Staff Image #1

安井 清峰

早稲田大学政治学研究科博士課程


Course Staff Image #1

玉水 玲央

早稲田大学政治学研究科修士課程


Course Staff Image #1

武井 槙人

早稲田大学政治学研究科修士課程


前提条件

特になし

課題内容

1.毎週(各単元)、選択形式の理解度確認クイズを実施
2.毎週(各単元)、ショートエッセイ(800字)を課し、受講者間での相互採点を実施
3.最終テストは、選択形式で実施

修了条件

得点率60%以上


参考文献

Jeffry A. Frieden, David A. Lake, and Kenneth A. Schultz. 2011. World Politics: Interests, Interactions, and Institutions. 2nd Edition. Norton.



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  • 講座番号:ga003
  • 受講開始日:2014年6月16日
  • 想定される勉強時間/週:5時間程度