川本 皓嗣
<略歴>
1939年大阪市生まれ。学術博士(比較文学)。日本学士院会員。東京大学・大手前大学名誉教授。国際比較文学会名誉会長。元日本比較文学会会長。正岡子規国際俳句賞選考委員。
大阪府立住吉高等学校、東京大学教養学部教養学科フランス分科を卒業後、大学院比較文学比較文化専攻に学び、パリ大学に留学。東京大学教授。トロント大学東アジア学部客員教授、インディアナ大学高等研究所フェロー。2004年から2012年まで大手前大学学長。
主な著書に、『日本詩歌の伝統――七と五の詩学』、岩波書店、1991(1992年度小泉八雲賞、サントリー学芸賞)、『川本皓嗣中国講演録』(中文訳)、北京大学、2010、イーグルトン『詩をどう読むか』(邦訳)、岩波書店、2011など。
<プロフィール>
専攻は比較詩学・比較文化論。一国・一民族の枠には収まらない文学・文化の国際的な交流や相関関係を考察する。研究対象は主として東西の詩と詩学、文学理論など。東京大学とパリ大学でフランスの詩、ことに近代詩(いわゆる象徴派の詩)を学んだ。のち和歌・俳句など日本古典詩歌の理論的考察を進め、『日本詩歌の伝統』で歌語の「本意」・俳句の詩的構造・七五調の韻律を論じた。さらにイギリスとアメリカの詩に関心をひろげ、アメリカ詩の対訳・注釈付き選集『アメリカ名詩選』(共著)、英語詩への入門書を兼ねた『アメリカの詩を読む』などを出版した。目下は、一般に<詩とは何か>という視点から、掛詞 (pun) を中心に、日本(和歌、連句、俳句、近・現代詩、翻訳詩)・中国・欧米の詩と詩学を研究している。