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memento mori-死を想え-


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  • 講座番号:ga080
  • 受講開始日:2020年7月15日
  • 想定される勉強時間/週:2,3時間程度

講座内容

memento moriというラテン語は「死を想え」という意味で、現在は幸せに生きている自分自身もいずれは死を迎えることを忘れるな!という警句です。特に中世末期のヨーロッパ、ペストが蔓延するなどして逃れようのない終末観の中で享楽的な生活におぼれるキリスト教徒に対して発せられたこの言葉は、現世での楽しみや贅沢が虚しいものであることを強調するものであり、来世に思いを馳せるきっかけとなりました。

”Man is mortal.(人は死すべき存在である)” と言われるように、われわれ人間はいつか必ず死を迎えます。しかし死んだらどうなるのかと言った、古い時代からの永遠の疑問は、未だ解き明かされないままです。死後世界へと旅立った人々の誰一人として、この世に戻ってきた人がいないからなのでしょう。

そのため正解のわからない死をめぐって、人はさまざまな生活様式(=文化)を創造してきました。授業では現代日本人の死の文化を中心に、「死」について考えます。

※本講座は、2017年2月開講の第1回、2017年10月開講の第2回、2018年10月開講の第3回及び2019年8月開講の第4回と同じ内容となり、課題の一部を変更しております。


第1週:死とは何か?

  • 死-問題の所在-
  • 死を考える視座
  • 現代日本の死の状況
  • 死の語義
  • 霊肉二分論
  • 死の起源の神話
  • 死と宗教
  • 死をめぐる民俗
  • 死の認定

第2週:死者と生者の接点

  • 死者とは誰か
  • 葬送儀礼の構造
  • 盆行事にみる死者と生者
  • 死者との出会いの可能性
  • 位牌
  • 遺影
  • 霊場
  • イエの先祖

第3週:日本人の死生観

  • 『熊野観心十界曼荼羅』からみた死生観
  • 死後霊魂の所在
  • 山中他界観
  • 山上霊地への歯骨納骨
  • 供物からみた死後の死者
  • 死者への想い
  • 死者からカミへ-柳田國男の所論-
  • 伝統社会の死生観

第4週:社会変動の中の死の文化

  • 死の理解の変化-アリエスの所論-
  • わが国における死の理解
  • 『中央公論』にみる死の扱いの変化
  • 墓碑銘からみた死生観の変化
  • イエの崩壊
  • 葬送習俗にみる近年の動向
  • イエ亡き時代の死者のゆくえ
  • memento mori

講師紹介

鈴木 岩弓

鈴木 岩弓 (すずき いわゆみ)

東北大学教養教育院 総長特命教授、東北大学名誉教授

1951年8月東京生まれ。東北大学文学部卒業後、同大学院博士前期課程、後期課程を経て島根大学助手。同講師・助教授、東北大学文学部助教授・大学院文学研究科教授を経て、現職。専門は宗教民俗学・死生学。
宗教の“現場”に立った視角からフィールドワークを行い、日本人の死生観・民間信仰概念の展開・流行神の形成過程などに関心をもつ。

主な著書
『現代日本の葬送と墓制 イエ亡き時代の死者のゆくえ』(編著、吉川弘文館、2018年)
『柳田國男と東北大学』(編著、東北大学出版会、2018年)
『〈死者/生者〉論 ―傾聴・鎮魂・翻訳―』(編著、ぺりかん社、2018年)
『変容する死の文化―現代東アジアの葬送と墓制―』(編著、東京大学出版会、2014年)

前提条件

特になし

課題内容

理解度確認クイズ(多肢選択):各2点×32=64点
最終レポート:36点

修了条件

得点率60%以上

学習期間

4週間

参考文献



講義動画収録時期:2016年





東北大学MOOCのシリーズについて

東北大学では、JMOOCにて下記の2シリーズを展開しております。
今後も新規開講講座が追加されます。
また、再開講も随時行っていく予定ですので、ぜひ他講座にもご参加ください。



東北大学サイエンスシリーズ

・第1弾 解明:オーロラの謎
・第2弾 東日本大震災の教訓を活かした実践的防災学へのアプローチ ー災害科学の役割
・第3弾 銀河考古学入門〜銀河の形成と進化を辿る〜
・第4弾 進化発生学入門 ―恐竜が鳥に進化した仕組み―

東北大学で学ぶ高度教養シリーズ

・第1弾 memento mori -死を想え-
・第2弾 男と女の文化史
・第3弾 家族と民法
・第4弾 社会の中のAI~人工知能の技術と人間社会の未来展望~(2020年9月開講予定)

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  • 講座番号:ga080
  • 受講開始日:2020年7月15日
  • 想定される勉強時間/週:2,3時間程度