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戦争倫理学


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  • 講座番号:ga081
  • 受講開始日:2019年2月21日
  • 想定される勉強時間/週:2,3時間程度

講座内容

私たちは皆、「戦争は悪い」「戦争はよくないもの」と考えてはいるだろう。しかし戦争はなくなっていない。反対に戦争は政治の一手段として時には必要と考える人もいるだろう。また戦争では、しばしば人権を無視した事態が生じる。人権や倫理なんて戦争に関係ないと考える人もいるかもしれない。しかしそれで本当によいのだろうか?この「よいのか?」という観点、つまり倫理的に「よい」のか、「正しい」のかという観点から戦争について批判的に考察することはできないだろうか?さしあたって「正しい戦争はあるのか?」と問いを立ててみよう。そこからもし正しい戦争の規準を導けるとするならばどうだろうか?
本講座では、戦争倫理学において主要な理論である正戦論を用いることにより、戦争の倫理的諸問題を考える。正戦論は「正しい戦争」の規準を構築することによって、むしろ実際の戦争の悪を暴き出すものであると考える。そして、戦争を批判的に考察し、戦争を時には必要と見なす人にも戦争に反対である人にも、双方が議論することのできる共通の土台となる正戦論を用いることにより、戦争の倫理的諸問題を検討する。


第1週:戦争倫理学を学ぶにあたって

  • 戦争倫理学を学ぶにあたって Introduction
  • 議論を進めるための確認事項
  • 戦争と「正しさ」
  • 戦争をめぐる道徳判断
  • まとめ
  • 倫理とは何か Introduction
  • 倫理とは何か
  • 正義とは何か
  • 道徳判断と理由付け
  • まとめ
  • トロッコ問題解説 Introduction
  • 倫理的価値・観点、視点について
  • トロッコ問題1
  • トロッコ問題2
  • トロッコ問題3
  • まとめ

第2週:戦争を倫理学的に考える

  • 戦争とは Introduction
  • 戦争と平和
  • 戦争の定義
  • まとめ
  • 戦争と倫理の関係 Introduction
  • なぜ戦争倫理を扱うのか
  • 戦争と倫理は関係があるのか
  • 戦争倫理3つのアプローチ
  • まとめ

第3週:正戦論

  • 正戦論:戦争の正義 Introduction
  • 正戦論とは
  • 正戦論の枠組み1 戦争を始める際の正義
  • 正戦論の枠組み2 戦争における正義
  • 正戦論の用い方と意義
  • まとめ
  • 戦争における正義(正戦論の問題点と回復的正義)Introduction
  • 戦争における正義
  • 正戦論の問題点
  • 回復的正義
  • 正戦論と補償
  • まとめ

第4週:正戦論を用いて戦争について考える

  • 湾岸戦争について正戦論を用いて分析する Introduction
  • 正当理由、正統な機関、正しい意図
  • 最終手段、成功の見込み、結果の比例性
  • 非戦闘員免除・保護、手段の比例性
  • 戦争後の正義(回復的正義)
  • まとめ
  • 人道的武力介入「保護する責任の視座から」 Introduction
  • 人道的武力介入の限界
  • 「保護する責任」の意義と概略
  • 「対処する責任」としての軍事行動
  • 「保護する責任」における軍事行動が内在的に抱える2つのジレンマ
  • まとめ

講師・スタッフ紹介

眞嶋 俊造

眞嶋 俊造(まじま しゅんぞう)

広島大学 大学院総合科学研究科 人間文化研究講座 准教授(北海道大学 大学院文学研究科 応用倫理・応用哲学研究教育センター 共同研究員)。
応用倫理学のうち、国家間やグローバルな政治経済に関する倫理的諸問題を扱うグローバルエシックス、また特に戦争と平和に焦点を当てた戦争倫理、正戦論、さらに軍事専門職の職業倫理について研究している。

主な著書
『正しい戦争はあるのか?ー戦争倫理学入門ー』(大隅書店)
『民間人保護の倫理――戦争における道徳の探究』(北海道大学出版会)
など。

・TA紹介

小林 和也

小林 和也 (こばやし かずや)

北海道大学 高等教育推進機構 オープンエデュケーションセンター 博士研究員。
北海道大学文学研究科にてミシェル・フーコーの研究で修士課程修了。その後同大学オープンエデュケーションセンターの博士研究員として、眞嶋准教授による応用倫理学、戦争倫理学などで反転授業のサポートなどに従事。

前提条件

戦争に問題意識を抱いている人。
倫理学の知識は不要(とりあえず必要な知識はこの講座で学習できる)。ただし、歴史的な知識の不足分については、適宜、受講者自身が調べるなどといった行為が必要(特に湾岸戦争、コソボ紛争、第二次世界大戦など)。

課題内容

  • 第1週~第4週に選択式の問題
  • 第2週と第4週にレポート課題

修了条件

得点率60%以上

学習期間

4週間



講義動画収録時期:2017年


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  • 講座番号:ga081
  • 受講開始日:2019年2月21日
  • 想定される勉強時間/週:2,3時間程度