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グローバリゼーション時代の国際政治


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  • 講座番号:ga091
  • 受講開始日:2018年1月16日
  • 想定される勉強時間/週:2,3時間程度

講座内容

この授業では「グローバリゼーション時代の国際政治」について考えます。
21世紀はグローバリゼーションの時代だと言われます。モノ、お金、情報、そして人間自身も、国境や言語や文化や宗教など、いくつもの境界線を越えて地球上を移動しています。便利なこと、楽しいことも増大しましたが、そのかわりに、新たに多くの問題も噴出しています。
それでは、そのような今日の世界を誰が動かしているのか。誰が問題を引き起こし、誰が問題に取り組んでいるのか。私たち市民は何を考え、何をすべきなのか。国際政治の中心にある「平和と豊かさ」の問題に焦点をあてながら、議論を進めていきます。
対テロ戦争と核拡散、世界的な金融・経済危機と格差や貧困、人権侵害と政治的暴力、民主化と市民社会など、さまざまな角度から現代世界を分析していきましょう。


Week1:国家は平和を守るか

  • はじめに:グローバリゼーション時代の国際政治
  • 国際政治とは何か? 
  • 近代国家と国際政治の歴史
  • 19~20世紀:国民国家、帝国主義、世界戦争
  • 第2次世界大戦後:冷戦と「核時代の国際政治」
  • 冷戦後1990年代:民族紛争、内戦、武力介入
  • 2000年代:テロと対テロ戦争
  • 2010年代:混乱の時代 覇権の後退、新興国の台頭、核拡散
  • 平和を守るツールとして国家は有効か?
  • 「古い戦争」から「新しい戦争」へ 「古い平和」から「新しい平和」へ

Week2:国家は豊かさを守るか

  • はじめに:グローバル市場経済の激動と国際政治
  • 世界金融・経済危機の荒波
  • 19~20世紀:自由主義、社会主義、国家主義
  • 第1次世界大戦後の復興、世界恐慌、第2次世界大戦への道
  • 第2次世界大戦後の冷戦体制:市場の自由か、国家の計画か?
  • 冷戦後1990年代: 自由化、民主化、グローバル市場
  • 2000年代:アメリカの覇権、ヨーロッパ統合、拡大WTO
  • 2010年代混乱の時代:リーマンショック、アラブの春、中国の台頭
  • 豊かさを守るツールとして国家は有効か?
  • 「古い国民社会」から「新しい市民社会」へ

Week3:暴力の連鎖をもたらすのは誰か?

  • はじめに:21世紀は「暴力の連鎖」の時代か?
  • 暴力を見る目:大国中心の国際政治学
  • 暴力を見る目:オルタナティヴな民衆の視点
  • 国家の暴力、国際社会の規範
  • 二つの世界:「安全で豊かな世界」と「危険で貧しい世界」への分裂
  • 暴力の空間:紛争地域、暴力的な過疎地、暴力的な大都会
  • 暴力の文化、貧困の文化、暴力の連鎖
  • 安全で豊かな世界の防衛
  • 最近の世界の動き:ポスト冷戦、テロと対テロ戦争、混乱の拡大
  • 誰が止めるか?:武装勢力とテロ、攻撃的ポピュリズム、核拡散

Week4:暴力の連鎖を解くのは誰か?

  • はじめに:21世紀は「人権と民主主義」の時代か
  • グローバリゼーションの波、国民国家の変動、草の根社会の新しい動き
  • 南アジアの民主主義を動かす主体:貧しい人々、女性、マイノリティー
  • 南アジアの民主主義を動かす主体:支配する人々、男性、マジョリティー
  • 改革と反動の民主主義的弁証法:市場、メディア、政党、NGO、武装勢力
  • 暴力の文化から非暴力の文化へ:暴力の連鎖を逆転する方法
  • 草の根の運動:自助、エンパワーメント、権利主張
  • 平和の作り方:暴力の傷を癒し、正義を実現し、非暴力の連鎖を編む
  • 二つの世界をプラスに結ぶ
  • 平和と豊かさをつくるグローバルな市民社会は可能か?

講師・スタッフ紹介

竹中 千春

竹中 千春(たけなか ちはる)

立教大学法学部教授。
国際政治・インド政治・ジェンダー研究。東京大学法学部助手、東京大学東洋文化研究所助手、明治学院大学国際学部助教授・教授を経て現職。公益財団法人日印協会理事。公益財団法人国際文化会館評議員。一般財団法人アジア政経学会理事長(2013-2015)、日本平和学会副会長(2014-2017年)。
現代インドのナショナリズムと民主主義の歴史に関心を抱き、ガンディーの思想と運動、貧しい人々や女性のエンパワーメントとアドヴォカシーに注目し、国際政治における暴力の連鎖と平和の創造を分析する。
著書に『世界はなぜ仲良くできないの?暴力の連鎖を解くために』(阪急コミュニケーションズ、2004年)、『盗賊のインド史―帝国・国家・無法者』(有志舎、2010年、大平正芳記念賞受賞)、竹中千春『千春先生の平和授業2011-2012未来は子どもたちがつくる』(朝日学生新聞社、2013年)、監修『平和を考えよう(全2巻)』(あかね書房、2013年)など。
翻訳書に、ラナジット・グハ他『サバルタンの歴史―インド史の脱構築』(岩波書店、1998年)、ラナジット・グハ『世界史の脱構築―ヘーゲルの歴史哲学批判からタゴールの詩の思想へ』(立教大学出版会、2017年)。

前提条件

特になし

課題内容

毎週のテストと、最終レポートを課します。

修了条件

得点率60%以上

学習期間

4週間

参考文献

  • 明石康『国際連合 軌跡と展望』 (岩波書店, 2006, ISBN-13:978-4004310525)
  • 長有紀枝『入門 人間の安全保障―恐怖と欠乏からの自由を求めて』 (中央公論新社, 2012, ISBN-13: 978-4-12-102195-3)
  • メアリー・カルドー『新戦争論―グローバル時代の組織的暴力』(山本 武彦・渡部 正樹訳, 岩波書店, 2003, ISBN-13: 978-4000233781)
  • 竹中千春『世界はなぜ仲良くできないの?暴力の連鎖を解くために』(阪急コミュニケーションズ,2004)(Kindle版, CCCメディアハウス,ASIN: B00OQ4QKA0,URL:http://books.cccmh.co.jp/list/detail/899/
  • 竹中千春『千春先生の平和授業/2011~2012/未来は子どもたちがつくる』(朝日学生新聞社,2012, ISBN-13: 978-4904826584 )
  • 竹中千春 『盗賊のインド史―帝国・国家・無法者』 (有志舎, 2010, ISBN-13: 978-4-903426-36-5)
  • 地域研究コンソーシアム『地域研究』編集委員会編『地域研究〈Vol.15 No.1〉総特集・グローバル・アジアにみる市民社会と国家の間』(京都大学地域研究統合情報センター 2015 ISBN-13: 978-4812215128)
  • 野林健・納家政嗣 編 『聞き書 緒方貞子回顧録』 (岩波書店, 2015, ISBN-13: 978-4000610674)
  • 藤原帰一『戦争の条件』(集英社 2013 ISBN-13: 978-4087206869)
  • 藤原帰一『戦争を記憶する 広島・ホロコーストと現在』(講談社現代新書, 2001, ISBN-13: 978-4061495401)
  • 藤原帰一・大芝亮・山田哲也 編『平和構築・入門』 (有斐閣, 2011, ISBN-13: 978-4-641-04994-9)

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  • 講座番号:ga091
  • 受講開始日:2018年1月16日
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