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東日本大震災の教訓を活かした実践的防災学へのアプローチ


受講登録は終了しました

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  • 講座番号:ga094
  • 受講開始日:2018年1月25日
  • 想定される勉強時間/週:2,3時間程度

(2018/6/22追記)
本講座(第1回)は2018年3月22日をもって受付を終了いたしました。
現在、第2回(2018年9月26日開講)の受講登録を受け付けております。こちらのページをご参照ください。

講座内容

東日本大震災の経験と教訓を踏まえ,また多発する国内外での自然災害の発生を受けて,自然災害対策・災害対応策や市民・社会の自然災害への処し方そのものを見直す必要がある。社会での変貌の中,災害や影響自体も変化しており,様々な災害の被害軽減に向けて社会の具体的な問題解決を指向する実践的防災学の礎を築くことが重要である。
その基礎となる災害科学は,事前対策,災害の発生,被害の波及,緊急対応,復旧・復興,将来への備えを一連の災害サイクルととらえ,それぞれのプロセスにおける事象を解明し,その教訓を一般化・統合化することである。
本講座では,東日本大震災における調査研究,復興事業への取り組みから得られる知見や,世界をフィールドとした災害科学研究の成果を社会に組み込み,複雑化する災害サイクルに対して人間・社会が賢く対応し,苦難を乗り越え,教訓を活かしていく社会システムを構築するための試行を紹介する。
講座は4つの構成で形成されており,各専門の教員が最新の知見や様々な知識・情報を提供する。第1週では,事前の取り組みの紹介も入れた被害実態と今後の教訓を概説し,第2週では,人間・社会科学的な側面を入れた被災地での復旧と復興を紹介する。第3週で,自然科学と防災への役割に視点を置きながら地震・津波のメカニズムと過去の履歴さらに将来予測についての研究事例を紹介する。最後に,仙台市で開催した2015年国連防災世界会議での議論と仙台防災枠組の取り組み,防災啓発・防災教育の現状,記録・伝承にいどむ取り組み,被災地での避難訓練事例などを紹介して実践的防災学の事例と将来を議論する。
なお,本講座は,「東北大学サイエンスシリーズ」の第2弾です。


第1週:東日本大震災前の取組と被害実態—事前対策と事中対応

  • イントロダクション
  • 地震津波活動と震災前の取り組み(被害評価,地域での取り組み)(1)
  • 地震津波活動と震災前の取り組み(被害評価,地域での取り組み)(2)
  • 東日本大震災の被害実態(地震,津波,原発)-被害の複合化と拡大過程,経験と教訓 (1)
  • 東日本大震災の被害実態(地震,津波,原発)-被害の複合化と拡大過程,経験と教訓 (2)
  • 東日本大震災の被害実態(地震,津波,原発)-被害の複合化と拡大過程,経験と教訓 (3)
  • 東日本大震災の経験と教訓を伝えていく(1)
  • 東日本大震災の経験と教訓を伝えていく(2)
  • 東日本大震災の経験と教訓を伝えていく(3)
  • 東日本大震災の経験と教訓を伝えていく(4)

第2週:被災地での復旧と復興—人間・社会科学的な側面

  • イントロダクション
  • ウエブニュースとソーシャルメディアに見る大震災(1)
  • ウエブニュースとソーシャルメディアに見る大震災(2)
  • 東日本大震災の津波避難 なぜ津波から逃げられない,どうしたら逃げられる
  • 東日本大震災後の津波警報の事例 人々は避難できたのか
  • 地域で話し合う 地域ごとの津波避難計画
  • 地域で避難訓練 避難訓練の方法と,自動車も使った津波避難訓練の実践例
  • 復旧・復興の中での安全な地域づくり 避難できる地域づくりの例
  • 復旧・復興の検証:見える復興(1)
  • 復旧・復興の検証:見える復興(2)

第3週:地震・津波のメカニズムと履歴・将来予測—自然科学と防災への役割

  • イントロダクション
  • 地震の発生メカニズム
  • 津波の発生メカニズム
  • 津波の特徴
  • 2011年東北地方太平洋沖地震・津波(東日本大震災)(1)
  • 2011年東北地方太平洋沖地震・津波(東日本大震災)(2)
  • 地質学的アプローチ
  • 過去の津波の研究方法 (1)
  • 過去の津波の研究方法 (2)
  • 震災後の津波防災対策の考え方

第4週:実践的な防災学と国際防災戦略—次への備え

  • イントロダクション
  • 国際的な防災・減災への戦略—仙台防災枠組(1)
  • 国際的な防災・減災への戦略—仙台防災枠組(2)
  • 防災啓発・防災教育
  • 記録・伝承にいどむ(1)
  • 記録・伝承にいどむ(2)
  • 被災地での実践的な避難訓練(1)
  • 被災地での実践的な避難訓練(2)
  • 実践的防災学の考え方
  • 災害科学国際研究所の取り組みと将来

講師・スタッフ紹介

今村 文彦

今村 文彦(いまむら ふみひこ)

東北大学災害科学国際研究所・教授(所長)
平成元年3月東北大学大学院工学研究科博士後期課程修了(工学博士)。
東北大学助手,講師,助教授,アジア工科大学院助教授(派遣),京都大学防災研究所客員助教授(併任)を経て,平成12年8月東北大学教授,平成26年4月より現職。
内閣府中央防災会議専門調査会委員,日本自然災害学会会長などを歴任。
平成12年「The 1999 Coastal Engineering Journal Award」,平成22年土木学会論文賞,平成24年自然災害学会学術賞,平成28年「防災功労者内閣総理大臣表彰」受賞。
専攻は津波工学。
津波工学研究分野では,低頻度大規模災害(想定を超える)の評価のあり方,地域での安全レベルの合意,様々な科学技術を融合させること,継続的で効果的な対策・対応を地域に根付かせること(防災文化の涵養,啓発・教育の充実)などを重点的に取り組んでおります。過去の歴史地震津波の見直しから,スーパーコンピュータ(HPCI)や震災ビッグデータなどの活用まで幅広いレンジで実践的な津波工学分野の展開を試みております。

主な著書

後藤 和久

後藤 和久(ごとう かずひさ)

東北大学災害科学国際研究所・准教授
2004年東京大学大学院理学系研究科博士課程修了(博士(理学))。
東北大学大学院工学研究科助教,千葉工業大学惑星探査研究センター上席研究員等を経て,2012年9月から現職。
2010年,日本地質学会小澤儀明賞受賞。専門は地質学。歴史,先史時代に発生した巨大津波の解明に取り組んでいる。

主な著書

佐藤 翔輔

佐藤 翔輔(さとう しょうすけ)

東北大学災害科学国際研究所・准教授
2011年京都大学情報学研究科博士後期課程修了(博士(情報学))。
日本学術振興会特別研究員(DC2),東北大学大学院工学研究科附属災害制御研究センター・助教を経て,2011年4月から現職。
石巻市震災伝承検討会議および震災遺構検討会議・ファシリテーターほか東松島市や仙台市における震災メモリアル事業のアドバイザーや,石巻市・東松島市・名取市・亘理町など宮城県内の防災関係の委員をつとめる。2015年,科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞(振興部門),2014年地域安全学会年間優秀論文賞などを多数受賞。専門は災害情報,災害伝承,災害復興。東日本大震災の被災地において実践的な研究に取り組んでいる。

主な著書

安倍 祥

安倍 祥(あべ よし)

東北大学災害科学国際研究所・助手
2005年東北大学大学院工学研究科博士前期課程修了(修士(工学)),2005年9月同博士後期課程を自主退学し,株式会社社会安全研究所研究員を経て,2012年4月の東北大学災害科学国際研究所開所より現職。
専門分野は津波避難対策や,防災計画および危機管理。災害対応や危機管理に携わる人材育成にも取り組んでいる。防災士。

主な著書

井上 大雅

井上 大雅(いのうえ たいが)

こんにちは,東北大学大学院地学専攻 自然災害学分野所属 修士1年の井上大雅です。
私が東北大に入学したのは2011年大震災の1年後です。震災の衝撃は当時の私にも大きく,入学後もボランティアに参加したり少しでもこの地で何かしたい力になりたいという想いでした。そうした気持ちは現在私の研究室配属に至り,主に巨大津波により陸上に地層として残された津波痕跡から,フィールド調査や諸分析を通して過去に起きた地震津波像を明らかにすることに取り組んでいます。
地層から過去の数百~数千年前あるいはさらに古い年代へと遡り,得られる情報を将来の防災へとつなげるプロセスに,地質学の可能性と大きな魅力を感じています。

前提条件

特になし

課題内容

理解度確認クイズ(多肢選択) 70点
最終レポート 30点

修了条件

得点率60%以上

学習期間

4週間

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  • 講座番号:ga094
  • 受講開始日:2018年1月25日
  • 想定される勉強時間/週:2,3時間程度