講座内容
近年、ICT(情報通信技術)は急速に発展し、様々な製品やサービスに反映され、その普及が進んでいます。今後、IoT、AIなどの新たなICTを活用した製品やサービスの登場が見込まれます。
●IoT(Internet of Things)は、「モノのインターネット」と呼ばれ、あらゆるモノがインターネットに接続することで、モノから得られるデータの収集・分析等の処理や活用が実現する。製造業や物流、医療・健康から農業に至るまで様々な分野で、状況を正確に把握することで効率が向上し、データの分析を通じて新たな価値を生むことに繋がる。
●人工知能(AI:Artificial intelligence)は、チェス・将棋などの人間が行うゲームを対象に脚光を浴びてきたが、近年、ビッグデータの活用の進展を背景に認知度が高まり、その適用領域が拡大している。また、膨大なコンピューターリソースを必要とすることからクラウドサービスの拡大や、機械学習機能を提供するオープンソフトウェアや商用サービスの登場も普及を加速させている。
(参考:平成28年情報通信白書)
本プログラムでは、総務省「ICTスキル総合習得プログラム」開発事業で検討・編集してきた「データ収集」、「データ蓄積」、「データ分析」、「オープンデータ・ビッグデータ利活用事例」に関する教材の中から、基礎知識、基本技術のポイントをまとめた講義をe-ラーニング形式で提供します。データの収集から利活用までの個々の要素だけでなく、ICT活用に関する全体像が学べるような構成にしています。
なお、本プログラムは、総務省「ICTスキル総合習得プログラム」開発事業における教材の評価検討の一環として実施します。本プログラムにおける受講生からのフィードバックは、教材や指導内容の改善に活用され、本事業の成果は事業終了後(平成30年4月以降)、総務省において公開予定となっています。
第1週:データ収集
第1講座では、ICT機器の事例や利活用の全体像を説明します。第2講座~第4講座では、身近なIoT機器から、より高度な機器へ段階を踏む形でIoT機器によるデータ収集、活用例を示します。第5講座においては、APIを用いる第三者提供のデータ収集、活用を示します。
第2週:データ蓄積
第1講座では、データベースやサーバを説明した後、クラウドの出自と特性を示します。第2講座ではクラウド内のサービスモデル、実装モデルに基づく分類を示します。第3講座においては、統計調査の結果を用いて日本企業におけるクラウド利用の実態を示した後、セキュリティに関する説明をします。第4講座では、平成29年5月に改正施行された個人情報保護法に関連するクラウドの利用と匿名加工情報を説明します。第5講座では、近年着目されている新たなクラウドサービスを説明します。
第3週:データ分析
第1講座では、ビッグデータの特性やデータの種類を示し、データクレンジングやデータの標準化の重要性を説明します。第2講座では、Excelによるデータクレンジングの基本的な手法を説明します。第3講座では、Excelを用いた基本統計量やクロス集計表の作成手順を説明します。第4講座では、回帰分析(最小二乗法)を概説し、Excelの分析ツールを用いた回帰分析の手順を示します。第5講座では、人工知能・機械学習の概念を紹介した後、代表的な機械学習の手法によって可能となるサービスを示します。
第4週:オープンデータ・ビッグデータ利活用事例
第1講座では、オープンデータの重要性および活用事例を紹介します。第2講座では、オープンデータ・ビッグデータが活用されているRESAS(地域経済分析システム)を説明します。第3講座では、大容量のビッグデータ分析が可能となる統計分析ソフトウェアR(アール)を用いたプログラミングを紹介します。第4講座では、平成29年6月に閣議決定された未来投資戦略2017に基づいて、IoT・データの利活用に関する日本政府の方針や総務省の取組を示します。第5講座では、データ利活用の発表・交流の場の紹介を通じて、本コース受講後の発展学習、交流に関する情報を提供します。