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進化発生学入門ー恐竜が鳥に進化した仕組みー


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  • 講座番号:ga142
  • 受講開始日:2020年1月22日
  • 想定される勉強時間/週:2,3時間程度

講座内容

「鳥は恐竜から進化した」、、、あのダーウィンも主張した「鳥は恐竜から進化した」という学説は、150年以上も議論され続け、羽毛を持つ恐竜の発見によって、確実視されるようになっています。とは言っても、そもそも、恐竜が鳥に進化するというのは、具体的にどう考えればよいでしょうか。ポケモンやゴジラのように、成長していく過程で、姿が徐々に別の動物に変化していく、そういうわけではありません。
鳥は、卵の殻の中で、1個だった受精卵という細胞からはじまって、生まれてきます。恐竜も同じように、1個の受精卵から生まれてきていたはずです。なので、恐竜が鳥に進化するというのは、恐竜を作っていた発生過程が変化した、鳥を作る発生過程を持つ動物が生まれたことになります。本当にそんなことは起こり得るのか?本講座では、動物の進化のしくみを、動物の発生過程に求める「進化発生学」の観点から、恐竜が鳥に進化したしくみを考えるための基礎を、学んでいきます。
第1週目は発生学の基礎を学びます。すべての動物が細胞でできていること、発生すること、そして、細胞が分化することを説明します。
第2週目は発生におけるタンパク質と遺伝子の重要性と、遺伝を介した動物同士のつながりについて、学びます。また、ゲノムやDNA、遺伝子発現という言葉についても学びます。
第3週目は手足の発生過程、とくに、指がどうやって作られるかについて、お話しします。さらに、発生のしくみを変化させることで、動物形態の違いを生み出す原理について、解説します。
第4週目は恐竜と鳥の関係と進化について、解説します。鳥を鳥らしくする、鳥エンハンサー配列は、恐竜から鳥への進化の過程でゲノムに備わったものです。鳥エンハンサーとは何か、それまでに学んだ内容を集結して、理解していくことになります。


Week 1:脊椎動物の体制と発生

  • イントロダクション
  • 恐竜と鳥の関係
  • 生物は細胞でできている
  • 生まれる=発生する:すべての動物は1個の細胞から
  • 脊椎動物の基本体制=ちくわ
  • 哺乳類の卵から赤ちゃんになるまで
  • ニワトリの卵からヒヨコになるまで
  • 1個の細胞から細胞シートへ、さらにちくわへ
  • 細胞系譜と細胞分化
  • 細胞分化と誘導

Week 2:発生と遺伝子発現と世代交代の連続性

  • イントロダクション
  • 筋肉が動くしくみ
  • 細胞分化と細胞特異的なタンパク質の重要性
  • 遺伝情報の正体(1):タンパク質の機能と遺伝子
  • 遺伝情報の正体(2):ゲノムとDNAと遺伝子の関係
  • 遺伝情報の正体(3):特異的遺伝子発現を生み出す転写調節
  • 分化した細胞特異的遺伝子発現の例
  • 生殖:次世代を作る仕組み
  • 遺伝:形づくりの情報を次の世代に伝えるしくみ
  • 親子関係から家系図へ、そして系統樹へ

Week 3:発生メカニズムの時空間的ずれと形態多様性

  • イントロダクション
  • 発生過程と形づくり
  • 四肢の発生(1):肢芽の伸長と骨格形成
  • 四肢の発生(2):ZPA
  • 四肢の発生(3):shh遺伝子と濃度勾配説
  • shh遺伝子の発現調節
  • 発生メカニズムのずれ(1):ヘテロクロニー
  • 発生メカニズムのずれ(2):ヘテロトピー
  • ずれを可能にする分子メカニズム(1):減数分裂と組換え
  • ずれを可能にする分子メカニズム(2):変異と遺伝

Week 4:鳥エンハンサーによる鳥の特徴作りと恐竜

  • イントロダクション
  • 鳥しか持っていない構造、形態
  • 肢芽発生と羽毛の発生
  • 鳥だけが持っているゲノム配列
  • 鳥だけが持っているゲノム配列は、鳥エンハンサーか?
  • どこまでの動物が、鳥エンハンサーを使っているのか?
  • 鳥の祖先は恐竜か?
  • 指番号の矛盾を解いた、発生メカニズムの理解
  • 恐竜も鳥エンハンサーを使っていた可能性
  • (まとめ)動物形態の進化は、発生メカニズム変更の蓄積である

講師紹介

田村 宏治

田村 宏治(たむら こうじ)

東北大学大学院生命科学研究科・教授
栃木県宇都宮市出身
1993年 東北大学理学部大学院博士課程 修了(博士(理学))
東北大学大学院理学研究科・助手、Salk Institute(アメリカ)・Postdoctoral Fellow、東北大学大学院生命科学研究科・助教授、を経て2007年より現職。

2018年、日本動物学会賞および日本進化学会賞を受賞
専門は動物発生学。主な研究テーマは、「脊椎動物の付属肢の形態形成(発生・再生・進化)」。
子供のころから職人さんにあこがれ、いまも研究教育の職人を目指して精進しています。
骨のある動物を見せると喜びます。

主な著書

田中 祥貴(たなか よしたか)

東北大学大学院生命科学研究科動物発生分野修士2年の田中祥貴です。私は、魚類のヒレから四肢動物の手足へどのように変化したかを主に研究しています。
私はもともと大学に入るまで生物学に興味がありませんでした。というのも数学や物理学と比べて、生物学はおびただしい数の現象の羅列に見えて、それらを貫くルールなど存在しようもないと思い込んでいたからです。しかし、現象をつぶさに見てみると、生物にはルールが存在しないのではなく、まだきちんと見出されていないだけだということがわかりました。たとえば動物の形態は多種多様です。しかし、これらの形態の多様性を創り出す”発生現象”には共通のルールが存在していると私は考えています。このルールを解明すれば、現存する動物の進化の過程を明らかにするだけでなく、地球の環境が少し異なればありえたかもしれない動物の姿を推測できるでしょう。
本講座では、主に恐竜と鳥類の間におけるルールに焦点を当てています。姿かたちの異なる動物に潜むルールを、発生現象からどのようにして見いだすのか。その一端を皆さんに味わっていただけたら幸いです。

前提条件

特になし

課題内容

理解度確認クイズ(多肢選択):各2点×36=72点
最終テスト:28点

修了条件

得点率60%以上

学習期間

4週間

参考文献

特になし






東北大学MOOCのシリーズについて

東北大学では、JMOOCにて下記の2シリーズを展開しております。
今後も新規開講講座が追加されます。
また、再開講も随時行っていく予定ですので、ぜひ他講座にもご参加ください。

東北大学サイエンスシリーズ

・第1弾 解明:オーロラの謎
・第2弾 東日本大震災の教訓を活かした実践的防災学へのアプローチ ー災害科学の役割
・第3弾 銀河考古学入門〜銀河の形成と進化を辿る~
・第4弾 進化発生学入門-恐竜が鳥に進化した仕組み-

東北大学で学ぶ高度教養シリーズ

・第1弾 memento mori -死を想え-
・第2弾 男と女の文化史
・第3弾 家族と民法

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  • 講座番号:ga142
  • 受講開始日:2020年1月22日
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