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「させていただく」が使いたくなるわけ -日本語と敬語のゆくえ-


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  • 講座番号:ga170
  • 受講開始日:2022年10月28日 15時
  • 想定される勉強時間/週:2,3時間程度

講座内容

この講座では『「させていただく」が使いたくなるわけ -日本語と敬語のゆくえ-』というタイトルで、日本語の敬語とコミュニケーションについてお話しします。

前半は、いまみんなが気になっている「させていただく」について、後半は、「させていただく」だけでなく、日本語の敬語に注目し、敬語の変化とその原因を探ります。講座全体の目標は、言葉の使い方への意識を高めることによってコミュニケーション能力を向上させて、豊かな人間関係を育むヒントを獲得することにあります。参考図書としては、角川新書の『「させていただく」の使い方−日本語と敬語のゆくえ-』を使います。

1週ずつご紹介します。
第1週はイントロダクションです。私たちがいま体験している「させていただく」の爆発的な使用拡大現象について、特に注目していただきたい例や事柄、今後の考察に必要な基礎知識をご紹介します。
第2週は「させていただく」に現在起こっている言語的現象を、詳しく読み解いていきます。
第3週は、少し視野を広げて、「させていただく」現象の背景にある、日本語の敬語の歴史、特に敬意がすり減っていく現象に注目して解説していきます。
第4週は、さらに視野を広げて、敬語の現在の姿、そしてこれからの姿について、考えていきます。

第4週にこれからの敬語の姿が見えてくると、その最前線に、第1週でお話しした「させていただく」現象があり、そこにつながっていることがわかっていただけるのではないかと考えています。
まるで曼荼羅のように、「させていただく」から始まり、深く敬語の歴史を読み解いていくと、グルリと一巡りして「させていただく」にたどり着くというわけです。私たちが日常生活で使っている「させていただく」をとおして、日本語と敬語のこれからについて、考えていきたいと思います。

ご自分の周りで見聞きする「させていただく」を思い出したり、面白い例をコレクションしながら、お聞きいただければと思います。


第1週:「させていただく」の人気の秘密と違和感の謎

  • 「させていただく」の用例研究
  • 「させていただく」の基礎知識
  • 「させていただく」の人気の秘密
  • 「させていただく」への違和感の理由
  • 「させていただく」の徹底調査

第2週:「させていただく」ブームの到来

  • 「させていただく」調査結果
  • 「させていただく」のルール
  • 「させていただく」の今昔物語
  • 「させてくださる」はもう使えない
  • 「させてくださる」から「させていただく」へのシフト

第3週:「させていただく」の背景-敬語がすり減っていく歴史-

  • 「させていただく」に何が起きたのか?
  • 敬意漸減
  • ベネファクティブ年表
  • 敬意のインフレーション
  • 「させていただく」の一人勝ち

第4週:これからの敬語

  • 敬語の5分類
  • 聞き手への意識
  • 伝統的な敬語から授受動詞へ
  • これからの敬語のゆくえ
  • その最先端にある「させていただく」

講師・スタッフ紹介

椎名 美智(しいな みち)

椎名 美智(しいな みち)

法政大学文学部教授。
専門は言語学、特に歴史語用論・コミュニケーション論・文体論。宮崎県生まれ。お茶の水女子大学卒、エジンバラ大学大学院修士課程修了、お茶の水女子大学大学院博士課程満期退学、ランカスター大学大学院博士課程修了(Ph. D)、放送大学大学院博士課程修了(博士(学術))、昭和女子大学、駿河台大学を経て、1994年より法政大学。

主な著書
『「させていただく」の使い方-日本語と敬語のゆくえ-』(2022年、KADOKAWA)、『「させていただく」の語用論-人はなぜ使いたくなるのか』(2021年、ひつじ書房)、『歴史語用論の世界-文法化・待遇表現・発話行為』(共編著、2014年、ひつじ書房)、『歴史語用論入門-過去のコミュニケーションを復元する』(共編著、2011年、大修館書店)など。翻訳はジョナサン・カルペパー、マイケル・ホー著『新しい語用論の世界-英語からのアプローチ』(監訳、2020年、研究社)、レイモンド・ウィリアムズ著『完訳キーワード辞典』(共訳、2011年、平凡社)など。

前提条件

特になし

課題内容

各週テストと総括テストを課します。

修了条件

各週テストと総括テストの合計で得点率60%以上

学習期間

4週間

参考図書・文献

  • 『「させていただく」の使い方-日本語と敬語のゆくえ-』(2022年、KADOKAWA)

※受講登録するとお客様の利用者情報は講座提供者(講師)に共有されます。詳しくは利用規約プライバシーポリシーをご覧ください。

  • 講座番号:ga170
  • 受講開始日:2022年10月28日 15時
  • 想定される勉強時間/週:2,3時間程度