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「人種」、「ジェンダー」から見る社会


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  • 講座番号:ga192
  • 受講開始日:2024年10月28日 15時
  • 想定される勉強時間/週:2,3時間程度

講座内容

アフリカ人がマラソンで、アフリカ系アメリカ人がバスケットボールやジャズで優れているのは、人種間の遺伝的な違いから説明できるのでしょうか。あるベストセラーが論じているように、「女性は金星から、男性は火星から来た」のでしょうか。もしそうでないとしたら、今日の社会で見える明らかな「違い」をどのように理解すればいいのでしょうか。この講座は、これらの疑問のすべてに直接答えることはできないかもしれませんが、これらの疑問に答えるためのツールを提供します。

1980年代後半のアメリカでは、「人種、階級、ジェンダー」に関する書籍が書店の棚を埋め尽すようになり、大学ではこのテーマに関する授業が開講され始めました。それから数十年後、「ブラック・ライブズ・マター(Black Lives Matter)」や「#MeToo」運動が米国内外で広まった際、これらの問題が、依然として重要なものであることが改めて確認されました。本講座では、主に米国の資料をもとに、社会学的な視点から、社会における人種とジェンダーを理解するための基礎を学びます。

「人種」が社会でどのように作られるのか、それが不平等とどのように結びつくのか、不平等が個人にどのような結果をもたらすのか、そして人種を意識しないことが公平につながるのかについて考察します。「ジェンダー・性別」に関しては、ジェンダーが個人レベルと社会レベルでどのように生み出されるのか、ジェンダー不平等の現状、平等を目指す措置が裏目に出る可能性があるのかを検討します。

講座の最後では、これらのデータや議論をもとに、ジェンダーと人種が現実世界の問題でどのように交錯しているかを示します。そして、多様性、公平性および包摂性の概念を通して、より平等な世界を構築するための考え方を紹介します。

適宜、日本の例にも言及しますが、学習者がアメリカについて学んだことを、日本社会の分析に生かすことを期待します。人種とジェンダーに関する知識を深めることは、アメリカのみでなく、日本、そして世界を理解するために役立ちます。また、人種やジェンダー以外の社会のあらゆる事象について、表面下に秘める複雑さを「社会学的な」視点から理解・分析できるようになることが期待できます。


各回のテーマ

第1週:人種、性別・ジェンダーの社会性

  • 「人種」とは何か:「黒人」や「白人」は生物学的なカテゴリーなのか
  • 社会における「人種」
  • 「性別」、「ジェンダー」とは何か:「女」や「男」は生物的なカテゴリーなのか?
  • 社会における「ジェンダー」
  • 「社会構築」という考え方

第2週:人種について

  • 「白人」はどのように作られてきたか
  • 人種とスポーツ
  • 人種による格差
  • 人種差別とヘイト・クライム(憎悪犯罪)
  • 肌の色(人種)で判断しないのは平等なのか、ポジティブアクションは逆差別なのか

第3週:ジェンダー・性別について

  • 「女らしさ」「男らしさ」とは
  • 社会化~「女性」「男性」に「なる」
  • ジェンダーの実践~「女性」「男性」を行う
  • 「男性的」な国と「女性的」な国
  • ジェンダーによる格差

第4週:差別・格差から包摂的な環境作りへ

  • 「交差性」ー人種 × ジェンダー・性別 × …
  • 事例1 虐殺・民族浄化と性的暴力
  • 事例2 「従軍慰安婦」
  • 事例3 移住労働者(家事労働者の場合)
  • 人種、ジェンダー・性別と多様化の推進

講師・スタッフ紹介

コー・ダイアナ

コー・ダイアナ

法政大学ダイバーシティ・男女共同参画推進担当常務理事・副学長。法政大学グローバル教養学部教授。香港大学社会学部卒。同大学社会学研究科修士課程修了(M.Phil)。スタンフォード大学大学院社会学研究科修士課程(MA)・博士課程修了(Ph.D)。法政大学HIF海外招聘研究員、第一教養学部専任講師など経て、現職。専門はジェンダー・セクシュアリティの社会学。担当授業は「人種・階級・ジェンダー」、「社会学理論」、「アジアン・アメリカ」、「格差の交差性(インターセクショナリティ)」(ゼミ)等。

主な著書
Same-sex Partnership in Japan: Would legalization mean de-radicalization? (in Beyond Diversity), Global norms, state regulations, and local activism: Marriage equality and same-sex partnership, sexual orientation, and gender identity rights in Japan and Hong Kong. (in The Oxford Handbook of Global LGBT and Sexual Diversity).

前提条件

特になし

課題内容

週単位で確認テスト、最後に総括テストを実施します。

修了条件

得点率60%以上

学習期間

4週間

参考図書・文献

  • Omi, Michael , & Winant, Howard (1994). Racial formation in the United States: From the 1960s to the 1990s (2 ed.). New York: Routledge.
  • 加藤秀一著『はじめてのジェンダー論』(有斐閣ストウディア)

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  • 講座番号:ga192
  • 受講開始日:2024年10月28日 15時
  • 想定される勉強時間/週:2,3時間程度
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