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地震と断層の科学〜日本列島の地震活動を知る


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  • 講座番号:ga205
  • 受講開始日:2026年1月21日 15時
  • 想定される勉強時間/週:2,3時間程度

講座内容

地震大国ともいわれる我が国日本。全世界で発生する地震の約1/10が日本列島とその近海で観測されています。実際、古来より大地震は繰り返し列島を襲い、歴史を揺るがしてきました。7世紀以降、南海トラフでは100〜200年ごとに巨大地震と津波が発生し、内陸でも天正地震や慶長伏見地震、明治の濃尾地震など直下型の大地震が各地で相次ぎました。さらに、関東大震災、阪神・淡路大震災、東日本大震災、能登半島地震など、近代以降も未曾有の被害をもたらした地震が続いています。自然現象である以上、今後も大地震は必ず発生すると考えざるを得ません。
本講座では、地震とその発生源である断層の基礎を分かりやすく解説し、日本列島で地震が多い理由、発生する地震の種類や規模、頻度について科学的な視点から整理します。特に講師の専門である活断層や内陸地震、地震の連鎖性に注目し、東北地方太平洋沖地震、熊本地震、能登半島地震などを具体的に紹介します。最終的には、気象庁などの公的機関が発表する地震速報や記者会見、地震予測情報やハザードマップを正しく理解し、実際の防災や備えに役立てることを目指します。




Week1:地震と断層の基礎を学ぶ

第1週では、最低限知っておくべき地震科学の基礎を話します。地震の防災・減災対策を考えるうえで、地震発生の地学現象を理解しておくことは大切です。なぜ、日本列島で地震が多発するのか、岩盤のズレ(断層運動)がどのように地震の揺れにつながるのか、といった基礎的な解説だけではなく、1995年阪神・淡路大震災、2011年東日本大震災が、防災だけでなく地震科学の進展における分岐点であったのかについても説明します。

  • イントロダクション
  • ハザードとリスク、地学現象を理解する重要性
  • プレートテクトニクスと日本列島
  • 地殻変動で形作られた日本列島
  • 震度とマグニチュード、地震と断層(1)
  • 震度とマグニチュード、地震と断層(2)
  • 地震を模擬する、断層と地震
  • 1995年兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)
  • 2011年東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)

Week2:活断層による内陸大地震

第2週では、2016年熊本地震、2024年能登半島地震など、我々が暮らす陸域直下の浅い場所で発生する地震に注目して解説します。そのような地震の源となる活断層とは何か。どのようにして活断層を見出し、将来の直下型地震の大きさや発生確率を算定するのか。その調査や評価プロセスについて話します。また、熊本地震、能登半島地震、世界の活断層型地震について紹介します。

  • 地表に現れた断層
  • 活断層とは何か(1)
  • 活断層とは何か(2)
  • 内陸大地震の予測
  • 2016年熊本地震
  • 2024年能登半島地震
  • 断層変位(ずれ)による被害と活断層法
  • 伏在活断層
  • 世界の活断層と最近の大地震

Week3:連鎖する地震活動

第3週では、本震とその後の余震、群発地震、続発する大地震など、時空間的にクラスターとなって発生する地震活動のメカニズムを解説します。特に、地震の集団としての統計則、本震や火山活動による周辺地域への応力(歪み)の伝播、地震のトリガリング作用などを、熊本地震や東北地方太平洋沖地震などを例に紹介します。

  • 地震の大きさと発生頻度
  • 本震−余震
  • 群発地震
  • 歪みの伝播と大地震の連鎖
  • 地震活動の連鎖の例(1)
  • 地震活動の連鎖の例(2)
  • 地震活動の活動期と静穏期
  • 東北地方太平洋沖地震とその後
  • 地震と火山

Week4:近い将来に起こる大地震とハザードマップ

第4週では、南海トラフ巨大地震、首都直下地震、浅部地殻内地震(活断層型地震)など、今後日本を襲うと考えられている大地震について紹介します。また、今後10年〜30年程度の長期間をみこした地震ハザードマップの作成プロセス、見方、注意点を解説します。大地震への備えへのヒントを提供します。

  • 南海トラフ巨大地震(1)
  • 南海トラフ巨大地震(2)
  • 首都直下地震
  • 内陸活断層型地震
  • その他の大地震
  • 地震ハザードマップ・予測情報の捉え方(1)
  • 地震ハザードマップ・予測情報の捉え方(2)
  • 地震ハザードマップ・予測情報の捉え方(3)
  • 大地震への備え、地震予知と科学の限界

講師・スタッフ紹介

遠田 晋次(とおだ しんじ)

遠田 晋次(とおだ しんじ)

東北大学災害科学国際研究所教授(災害評価・低減部門)(博士(理学))
1966年12月生まれ。宮崎県出身。
鹿児島大学理学部卒業後、 東北大学大学院理学研究科前期博士課程修了、電力中央研究所研究員、同所属中に米国地質調査所(USGS)客員研究員、東京大学地震研究所助手、産業技術総合研究所活断層研究センター研究員、京都大学防災研究所准教授を経て、2012年10月から現職。現在、日本活断層学会副会長、地震予知連絡会会長。専門は地震地質学・活断層研究で、内陸大地震の長期予測のほか、地震の連鎖性に関する研究にも取り組んでいる。

主な著書

前提条件

特になし

課題内容

理解度確認クイズ
最終課題

修了条件

得点率60%以上

修了条件を満たした方には、東北大学オリジナルの修了証とオープンバッジ(※)が発行されます。
閉講日以降、登録メールアドレス宛にオープンバッジの案内が届きますので、記載された手順に沿って設定を行ってください。
詳しくは、オープンバッジ発行のお知らせをご確認ください。
受講解除者、メール配信停止者にはオープンバッジの案内ができませんのでご注意ください。

※オープンバッジとは
取得した知識やスキルを証明する国際技術標準規格のデジタル証明書。
ブロックチェーン技術を取り入れており、紙媒体の修了証と異なり改ざんや偽造が不可能で、デジタル履歴書やSNSでの公開など、様々な場面での活用が期待されます。

学習期間

4週間


講義動画収録時期:2025年




東北大学MOOCのシリーズについて

東北大学では、JMOOCにて下記の3シリーズを展開しております。
今後も新規開講講座が追加されます。
また、再開講も随時行っていく予定ですので、ぜひ他講座にもご参加ください。

東北大学サイエンスシリーズ

・第1弾 解明:オーロラの謎
・第2弾 東日本大震災の教訓を活かした実践的防災学へのアプローチ ー災害科学の役割
・第3弾 銀河考古学入門~銀河の形成と進化を辿る~
・第4弾 進化発生学入門ー恐竜が鳥に進化した仕組みー
・第5弾 放射線安全社会入門~リスクの知見を暮らしに~
・第6弾 痛みと麻酔科学
・第7弾 人間脳科学入門
・第8弾 暗号学の現在―現代暗号入門
・第9弾 海産毒の科学
・第10弾 地震と断層の科学〜日本列島の地震活動を知る

東北大学で学ぶ高度教養シリーズ

・第1弾 memento mori -死を想え-
・第2弾 男と女の文化史
・第3弾 家族と民法
・第4弾 社会の中のAI~人工知能の技術と人間社会の未来展望~
・第5弾 化粧で学ぶ心理学
・第6弾 自己理解の心理学
・第7弾 静物画のスペクタクル ――レンブラントとフェルメールを中心に
 「鑑賞者・物質性・脱領域」を考える

東北大学アドバンストシリーズ

・第1弾 SHOKU-gaku-食学-

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