講座内容
建設産業は、国民生活や経済活動の基盤である住宅・社会資本の整備・維持管理を通じ、我が国の経済社会の発展に貢献するとともに、地域においては、経済・雇用を支えると同時に、防災・減災、老朽化対策、耐震化、インフラメンテナンスなど「地域の守り手」として極めて重要な役割を果たしています。
一方、少子高齢化やそれに起因する労働力人口の減少にともない、建設産業においては担い手の確保が課題となっています。また、このことは建設産業のみならず国内の他産業も同様で、担い手不足の懸念から、多くの産業で生産性向上を推進する機運が高まっています。
建設業においては従来から、単品・現場生産という特徴から生産性の向上に取り組みにくいと言われることが多いですが、担い手確保・育成の観点からも、生産性の向上による適切な利潤の確保が必要不可欠となっています。
このため建設業の経営者をはじめ建設業に関わる多くの方に、建設現場を中心として広く生産性向上手法を学んでいただくため本講座を開講します。
第1週
第1章:生産性向上に向けて
- 本講座で何を学べるのか
- 生産性はどのように算出すればよいのか
- 本当に利益は現場から生まれるのか
(1) 省力化(1歩、1秒、1円)
(2) 省人化(8時間でしていた仕事を6時間でやる)
(3) 活人化(5人でしていた仕事を4人でやる)
第2章:適正な工程管理(1)
- 工程管理するとなぜ生産性が上がるのか
- 本当にネットワーク工程表は効果的なのか
- 工程管理と原価管理の関係は
- 工事内で人員を平準化する方法
- 会社内で人員を平準化する方法
第3章:適正な工程管理(2)
- 工期短縮5つのポイント
- 旗を立てよ 詳細に工程を立てると工期が伸びる
- 行き方を変えよ いつもと違う方法で施工しているか
- ムダを省け 4Mのムダが見えているか
- マイルストーンで改善せよ 1週間に1回のチェックでは遅い
- 来た道を振り返れ 工事が終わってから工程管理が始まる
第2週
第4章:現場関係者とのコミュニケーション(1)
- コミュニケーションがよいと本当に生産性が上がるのか
- 報連相は新人よりもベテランに問題がある
- 報告がうまくいかないパターン:指示命令をため込むな
- 連絡がうまくいかないパターン:必要な人に届いているか
- 相談がうまくいなかいパターン:怒らずに相談を受けているか
第5章:現場関係者とのコミュニケーション(2)
- コミュニケーションの4段階
- 親密力:相手との距離が遠いと関係が焦げ付く
- 調査力:要望だけでなく欲求も聞き取ろう
- 表現力:相手の心を動かす話をしているか
- 交渉力:相手のノーをイエスに変える方法
第3週
第6章:適正な原価管理(1)
- 原価意識を高めると原価は下がるのか
- 建設会社は2つのPDCAサイクルを回せ
- 業績を良くするために上げるものと下げるものとは
- なぜ原価を下げないといけないのか
- あなたは人財、人材、人在、人罪?
第7章:適正な原価管理(2)
- 原価低減5つのポイント
- 旗を立てよ 絶対原価、変動原価、浮遊原価を理解せよ
- 行き方を変えよ 設計VE、施工VEで原価を下げよ
- ムダを省け 原価低減戦術を立て、戦闘せよ
- マイルストーンで改善せよ 月次チェックでロスに気づけ
- 来た道を振り返れ 歩掛かりをまとめて単価をチェック
第4週
第8章:労働安全と生産性
- 安全を守ると本当に生産性は落ちるのか
- なぜ事故、災害が発生するのか
- どうすれば安全と生産性は両立するのか
(1) ハザード流入の防止~リスクアセスメントによる予防~
(2) リスクの監視~現場巡視、パトロール~
(3) リスクの放流~妨げるものはなにか~
第9章:省力化工法・情報化施工
- ICTは初期投資に見合う効果があるのか
- ICTを活用した省力化工法・情報化施工の実践事例
(1) 「測量」への活用による施工管理の効率化
(2) 「情報化施工」への活用による施工の簡素化と品質の向上
(3) 「AR(仮想現実)」による安全・品質の確保
(4) 「ウエアラブル端末」による作業能率向上
(5) 「プレキャスト化」による省力化、品質確保
第5週
第10章:年間業務の平準化
- 平準化の目的は品質と担い手育成・確保
- どうすれば平準化を進めることができるのか
- 閑散期の受注方法を考えよう
(1) 顧客創造の方法
(2) 成長戦略と安定戦略
第11章:社内業務の効率化
- スケジュールを守れない人の6つの理由
- 重要で緊急でないことを実施すると時間に余裕ができる
- 時間の使い方のムダを省く5つの方法
- 時間の使い方を分析すればムダが見える
(1) 業務投下時間の分析と評価
(2) 業務実施方法の分析と評価
第6週
第12章:人材の育成
- 人事制度とは
(1) 人事評価制度、賃金制度、教育制度、昇進昇格制度
(2) 人事評価3つのポイント
- 育成なくして指導なし
(1) 育成方法
(2) 指導方法