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広島から平和を考える

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  • 講座番号:pt022
  • 受講開始日:2018年12月20日
  • 想定される勉強時間/週:2,3時間程度

講座内容

本授業は全5回の講義(授業形式と有識者・専門家と講師との対談(鼎談)の融合)を通して、原爆投下という歴史的経験を背景に、核兵器廃絶、さらにはより広い視座から平和を考える拠点となった広島から、核と平和をめぐる国際政治について考える。
(2018年度に第1回~第3回、2019年度に第1回~第5回を開講予定)

第1回
「広島:廃墟からのスタート」
広島を「広島」たらしめたのは、1945年8月の人類史上初の原爆投下であった。その被爆の惨禍が国内に広く認知された契機は1954年の第五福竜丸事件である。原水爆禁止運動は国内、さらには世界で急速に高まりをみせ、広島はその中心としてシンボル化していった。核兵器廃絶および平和を考える出発点としての被爆の経験・実相を振り返るとともに、核廃絶への希求の中心的存在として広島が存在する意味を、核兵器の登場が国際政治・安全保障問題にもたらした影響や変動とともに、第二次世界大戦末期から冷戦初期の時期の動向に沿って考える。

第2回
「理想と現実:核をめぐる冷戦期・冷戦終結直後の国際政治」
冷戦期には米ソ核軍拡競争が激化し、これと並行して核兵器の拡散も進行した。他方で、そうした冷戦下の核の脅威は、米ソ核軍備管理、核不拡散体制、あるいは欧州などでの核廃絶運動を生み出していく。米ソあわせて最大6万発もの核兵器を保有して対峙した冷戦が終焉を迎えた時、世界は核軍縮の進展に期待を高めた。そして実際、米露(ソ)による大幅な核兵器削減、核廃絶決議の採択、NPTの無期限延長、CTBTの成立といった一定の成果はあった。だがその背後では、核を取り巻く国際情勢の複雑化が始まっていた。核廃絶への希求と核をめぐる国際政治の現実について、冷戦からその終結直後までの動向を考える。

第3回
「複雑化する国際情勢:核をめぐる新たな脅威と現代的課題」
オバマ大統領によるプラハ演説は「核兵器のない世界」の機運を一気に高めたが、核軍縮・不拡散を巡る動向は、そうした期待を大きく裏切るものであった。国際システムの変動、安全保障環境の複雑化と軌を一にして、核の脅威は多様化し、核保有国などは核抑止の重要性を再認識しはじめた。一方で、核軍縮の進展しない状況に対する強い不満は、核問題の「脇役」とみなされてきた非核兵器国や市民社会の主導によって核兵器禁止条約の策定へと収斂していく。核をめぐり二分化する国際情勢のなかで、広島、日本、世界はこれから、核兵器の問題にどのように向き合っていけばよいのかを考える。

第4回(※来年度開講予定)
「平和への自覚:被災から復興へ」
冷戦の終結が、内戦・地域紛争、さらにはテロの頻発をももたらすなかで、平和維持、平和構築、戦後復興といった取り組みの重要性が高まっていった。被爆の惨状から復興を遂げた広島では、核廃絶問題だけでなく、より広い視野で平和を考える地としての「自覚」が芽生え、広島として果たすべき「使命」を見出していく。そうした広島の活動を軸に、特に平和構築分野での貢献や平和の担い手の育成に焦点を当てて考える。

第5回(※来年度開講予定)
「広島からの平和:過去・現在・未来」
平和は実現可能か。第二次世界大戦の経験からどのような平和へのアプローチが生まれたのか。さまざまなアプローチのなかで、広島・長崎の被爆経験からどのような指針を得ることができるのか。政策決定にかかわる実務家の視点から見た平和と、研究者の視点から見た平和、そして国民にとっての平和にはどのような違いと重なりがあるのか。被爆経験を出発点として広い視座で核廃絶と平和を考える地としての広島の役割について考える。


第1回 広島:廃墟からのスタート

  • 1-1. 第二次世界大戦と核兵器 国際政治に与えた影響
  • 1-2. 原爆投下と被爆の実相 インタビュー①
  • 1-3. 原爆投下と被爆の実相 インタビュー②
  • 1-4. 原水爆禁止運動の興隆と国際政治の現実

第2回 理想と現実:核をめぐる冷戦期・冷戦終結直後の国際政治

  • 2-1. 冷戦下の核軍拡競争
  • 2-2. 力のバランスがもたらす核軍縮・不拡散
  • 2-3. 冷戦終結:核軍縮への期待と現実

第3回 複雑化する国際情勢:核をめぐる新たな脅威と現代的課題

  • 3-1. 「核兵器のない世界」?
  • 3-2. 核をめぐるリスクの多面化・複雑化
  • 3-3. 核兵器の禁止がもたらす亀裂


講師・スタッフ紹介

藤原帰一

藤原帰一(講師)

東京大学大学院法学政治学研究科教授。専門は国際政治学。東京大学法学部卒業、同大学大学院博士課程単位取得退学。広島県の「国際平和拠点ひろしま構想」(2012年~)策定委員会委員であり、その一環として開始された「ひろしまラウンドテーブル」の議長を務める。『戦争を記憶する:広島・ホロコーストと現在』(講談社現代新書、2001年)、『平和のリアリズム』(岩波書店、2004年、石橋湛山賞受賞)など多数の著書がある。写真©K. Yamashita

坪井直

坪井直(対談者)

日本原水爆被害者団体協議会代表委員、広島県原爆被害者団体協議会理事長。爆心地から約1Kmの地点で被爆したが生き延びた。1986年には中学校長を退職し、その後、被爆者援護・核兵器廃絶運動や被爆体験証言等を重ねて現職。2011年に第23回谷本清平和賞を受賞。2018年に広島市名誉市民。2016年のバラク・オバマ米国大統領(当時)広島訪問において被爆者代表として面談した。

森重昭

森重昭(対談者)

歴史家。中央大学卒業。原爆投下時は爆心地から約2.5㎞地点の広島市己斐で被爆。約40年間にわたり,広島で被爆死した米兵捕虜について調査。「原爆で死んだ米兵秘史」の著者。訳書として「爆撃機ロンサムレディー号 被爆死したアメリカ兵 トーマス・カートライト著 森重昭訳」がある。2016年に第64回菊池寛賞を受賞。バラク・オバマ米国大統領(当時)の広島訪問において被爆者代表として面談した。

阿部信泰

阿部信泰(対談者)

ハーバード大学シニア・フェロー。前内閣府原子力委員会委員(2014~17)。東京大学法学部在学中に外交官試験に合格。1967年に外務省に入省し,英語研修としてアメリカ合衆国アマースト大学を卒業。1999年~ウィーン国際機関代表部大使,2001年~駐サウジアラビア特命全権大使,2003年~国際連合事務次長(軍縮担当)、2006年~駐スイス大使, 2008年~日本国際問題研究所 軍縮・不拡散促進センター所長。

秋山信将

秋山信将(対談者)

一橋大学大学院法学研究科教授,国際・公共政策研究部教授。一橋大学法学部卒業。オックスフォード大学セント・アントニーズ・カレッジ政治学博士課程博士候補,コーネル大学公共政策大学院行政学修士課程修了。1998年~広島市立大学広島平和研究所,2004年~日本国際問題研究所 軍縮・不拡散促進センター研究員,2005年~同研究所主任研究員,2016年~在ウィーン国際機関日本政府代表部公使参事官を経て現職。

スコット・セーガン

スコット・セーガン(対談者)

スタンフォード大学教授、国際安全保障・協力センター副所長。ハーバード大学でPh.D.を取得。ハーバード大学講師などを経て現職。

前提条件

特になし

課題内容

各週課題:選択式の問題

修了条件

理解度確認クイズに1問以上正解すること

学習期間

3週間

参考文献

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  • 講座番号:pt022
  • 受講開始日:2018年12月20日
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