(2016/6/13追記)
本講座(第1回)は2014年6月末をもって受付を終了しました。
現在、第3回(2016年7月14日開講)の受講登録を受け付けております。こちら のページをご参照ください。
この講座には「通常コース(無料)」「反転学習コース(有料)」「反転学習コース 高校生特別枠(無料)」の3種類のコースがあります。
通常コース(無料)
お申込み方法 講座詳細ページ(本ページよりすぐにお申込みいただけます)
コース内容通常コース (オンライン学習)
ga001を申込み
反転学習コース
お申込み方法 外部サイト「Peatix」よりお申込みいただけます。定員を超える場合には抽選とさせていただきます。
コース内容通常コース (オンライン学習) 反転学習 (対面授業)
Peatixで申込み
高校生特別枠 (無料)
お申込み方法 外部サイト「FLIT(東京大学大学院情報学環 反転学習社会連携講座)」よりお申込みいただけます。(選考あり)
コース内容通常コース (オンライン学習) 反転学習 (対面授業)
FLITで申込み
講座内容
このコースは、「歴史学は知的な冒険だ!」とうたい、「歴史を暗記から解き放とう!」を目標に、哲学の成果を援用しながら、中世日本での自由と平等のありようをさぐる。
中等教育において、日本史という教科は人気がない。子どもたちに尋ねると、暗記をしなくてはならないから、学ぶ喜びよりも苦痛が先に立つという。これではいけない。日本史は一つの答えが確固として定まっている「静的な」学問では決してなく、知性をもってすれば従来と異なる解釈を数多く産出できる、「動的な」科学なのである。この講座では、「天下統一を目指す戦国大名たちは、競って上洛をこころみた。その中で地理的条件にも恵まれた織田信長が、天皇や将軍の権威をかりて、天下に号令した」というような通俗的・小説的な理解に対し、様々に異論を示していく。そして「自由と平等」をテーマに設定し、細かな暗記には拘泥せずに、知的な冒険である歴史の楽しみ方を、ともに習得したいと願っている。
コースは4つの部分に分かれている。第1週では、歴史学が科学であること、常に根拠を示しながら解釈を提示していく「知の冒険」であることを、歴史資料を読み解きながら確認する。これが全体の議論の大前提となる。第2週は歴史認識に「・・であるべきだ(当為)」を重視する見方と、「・・である(実情)」を重視する見方、二つの異なる視座があることを説明する。そのうえで、中世の「国のかたち」を模索するに際し、それぞれがどういうイメージを結ぶか、議論していく。第3週では、日本的な土地所有(職の体系、というかたちをとる)のあり方を分かりやすく説明しながら、所有権の深化と自由の拡大についての試論を提示する。第4週は戦国大名を例にとって天下統一の新たな解釈を模索するとともに、統一政権の構造をつき崩す可能性をもった、平等を希求するエネルギーの存在に注目する。
講師・スタッフ紹介
本郷 和人
1960年に東京の下町に生まれ、育つ。石井進・五味文彦に師事し、83年東京大学文学部卒業。88年、東京大学大学院人文科学科博士課程単位取得。同年、史料編纂所に入所。現在、東京大学史料編纂所教授、文学博士。鎌倉時代の史料編纂に従事し、『大日本史料』第五編の編纂・出版を主たる業務とする。専門は日本中世の政治史と古文書学。政治史においては当為(建前、理想論)ではなく実情(ホンネ)の把握を重視する。主著は『中世朝廷訴訟の研究』(東京大学出版会)、『新・中世王権論』(新人物往来社)。研究の成果は分かりやすいかたちで社会に広く紹介すべきである、との考えに立ち、一般書の著述にも積極的に取り組んでいる。成果としては『戦いの日本史』(角川出版)、『天皇はなぜ万世一系なのか』(文春新書)、『名将の言葉』(新潮文庫)などがある。
杉山 巖
1976年、新潟県に生まれる。2004年3月、東京大学・大学院人文社会系研究科・修士課程修了。11年3月、同・博士課程単位取得退学。現在、東京大学・史料編纂所・学術支援専門職員。専攻は日本中世史。中世の古文書や古記録を読み解きながら、当時の人々の思考や社会そのものを探る研究を進めている。研究成果として、『現代語訳 吾妻鏡』(五味文彦・本郷和人・西田友広・遠藤珠紀と共編、既刊13冊、吉川弘文館)など。趣味は近代学問史・史学史。中世文書を読んで疲れた頭を近代文書を読んで休めるのが趣味。「休みっぱなし」という批判もチラホラ。
池尻 良平
1985年大阪生まれ。2008年に東京大学文学部歴史文化学科を卒業。2008年から東京大学大学院学際情報学府(山内祐平研究室)に進学し、2013年に同大学院の博士課程を満期退学。現職は東京大学大学院情報学環 特任助教。専門は教育工学・歴史学習・転移・ゲームデザインで、現代社会の問題解決に応用できる歴史教材の開発を研究している。主要な論文として、「歴史の因果関係を現代に応用する力を育成するカードゲーム教材のデザインと評価」(日本教育工学会論文誌31巻4号)、「歴史的事象を現代の問題解決に応用する力を育成する教材のデザインと評価」(教育メディア研究19号1巻)、「歴史の学習効果を高めるデジタル・アーカイブの活用法」(学習情報研究, 229号)などがある。2009年度 東京大学大学院学際情報学府 優秀論文受賞。2013年 日本教育メディア学会 井内賞(優秀論文賞)受賞。
大浦 弘樹
1980年神奈川生まれ。2004年に東京都立科学技術大学工学部を卒業。2007年に東京工業大学大学院社会理工学部研究科・修士課程を修了後、青山学院大学ヒューマン・イノベーション研究センターで客員研究員、東京大学大学総合教育研究センターでリサーチフェロー・特任研究員を経て渡米。ワシントン大学大学院教育学部の博士課程に在籍し、高校生を対象に喫煙のリスク要因を疫学的な分析を通して科学的に論証するカリキュラム開発に従事、2013年10月から東京大学大学院情報学環 特任助教。2013年7月に米国サイエンス誌のScience Prize for Inquiry-Based Instruction (IBI)を受賞。
課題内容
・各週課題:選択式の問題
・最終課題:レポート課題(800字程度)