森川 嘉一郎
明治大学国際日本学部准教授。
1971年生まれ。早稲田大学大学院修了(建築学)。2004年ベネチア・ビエンナーレ第9回国際建築展日本館コミッショナーとして「おたく:人格=空間=都市」展を製作。桑沢デザイン研究所特別任用教授などを経て、2008年より現職。明治大学において「東京国際マンガミュージアム」(仮称)の開設準備、および米沢嘉博記念図書館の運営に関わる。著書に『趣都の誕生 萌える都市アキハバラ』(幻冬舎、2003年)など。
日本のマンガ・アニメ・ゲームが特異な発展を遂げたのは、主に20世紀後半に入ってからである。国民に幅広く親しまれる一方で、現在もサブカルチャーとしての性格が色濃い。他方、世紀をまたいだあたりから、省庁によって輸出文化として有望視され、「クールジャパン」というフレーズが冠されるようにもなった。
サブカルチャーでありながら、〈日本〉的なるものを国外に発信する役割を国から期待されるという状況は、時に違和感を醸してきた。マスメディアで「アニメの殿堂」と呼ばれた「国立メディア芸術総合センター」の計画が、2009年に国会で取り沙汰され、当時の野党から「巨大国営マンガ喫茶」だと攻撃された挙げ句、政権交代にともなって執行停止になったことは、この違和感の反映ともとらえ得る。その一方で、2020年のオリンピック招致に向けて東京都が繰り出したPRフィルムでは、浅草や明治神宮とともに、ガンダム像やメイド喫茶がフィーチャーされた。マンガやアニメの観光利用も、注目されるようになった。
そのような状況にありながら、そもそもなぜ、日本でマンガ・アニメ・ゲームは独特の発達を遂げたのか、そしてどのような歴史を経て現在の姿にいたっているのかといった、基本的なレクチャーが提供される機会は、今も少ない。知る機会がほとんどないまま、その活用策だけが、時に誤解含みで取り沙汰される。これはマンガ・アニメ・ゲームが、まさにサブカルチャーと見なされてきたがゆえに、学問の埒外に置かれてきたことを要因の一つとしている。明治大学ではこの分野の体系的研究を可能にするために、マンガ・アニメ・ゲームの複合アーカイブ施設となる「東京国際マンガミュージアム」(仮称)の設立を準備しているが、併行してMOOCの枠組みで、このコースを提供する所以である。
コースは、イントロダクションを森川 嘉一郎が行った後、マンガ、アニメ、ゲームをそれぞれ専門とする宮本 大人、氷川 竜介、福地 健太郎が、オムニバス形式で講ずる。
なぜ大学でマンガやアニメ、ゲームに関する教育・研究が行われるようになってきたのか、その背景を概観します。それとともに、研究環境の整備を進める現場から、さまざまな資料を紹介しながら、「商品」としての側面と「作品」や「文化」としての側面の相互関係を中心に、いくつかの研究の観点を提起します。
漫画はいったい、いつ、どこで、どのように生まれたのでしょうか。この問いに答えようとするとたちまち、そもそも「漫画」とは何か、何がどうなれば「漫画」が生まれたと言えるのかといった問いにぶつかります。この講義ではこの問いに対して、「漫画」という言葉がどのように使われてきたのか、という問いを手掛かりにしながら、幕末から明治・大正にかけての時期に答えを探っていきます。
日本のアニメは映画の文法を応用しているため、国際的にも広く楽しまれています。一方、「日本のアニメは何が特徴か」という本質については、研究が不足しているのではないでしょうか。キャラクターと物語なら、マンガや小説など他のメディアでも表現可能。アニメの特質はどこにあるのか?それを浮き彫りにするための基礎となる知識を、いくつかセレクトして講義していきます。
今やポップカルチャーの主要な一画を占めるほどに成長したコンピュータゲーム。
今あるコンピュータゲームの姿はどのように確立されてきたのか、その面白さや没入感はどこから生まれてくるのか。演出手法からゲームのメカニズムまで、コンピュータゲームのメディア特性から読み解く手法の基礎を学びます。
明治大学国際日本学部准教授。
1971年生まれ。早稲田大学大学院修了(建築学)。2004年ベネチア・ビエンナーレ第9回国際建築展日本館コミッショナーとして「おたく:人格=空間=都市」展を製作。桑沢デザイン研究所特別任用教授などを経て、2008年より現職。明治大学において「東京国際マンガミュージアム」(仮称)の開設準備、および米沢嘉博記念図書館の運営に関わる。著書に『趣都の誕生 萌える都市アキハバラ』(幻冬舎、2003年)など。
明治大学国際日本学部准教授。
東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程単位取得退学。北九州市立大学文学部准教授を経て現職。専門は漫画史、表象文化論。明治期から昭和戦前・戦中期の漫画史を研究しつつ、現在進行形の作品のレビューなども行なっている。夏目房之介氏らとの共著に『マンガの居場所』(NTT出版、2003年)。主な論文として、「『漫画』概念の重層化過程 ―近世から近代における―」『美術史』154号(2003年)、「マンガと乗り物 ~「新宝島」とそれ以前~」霜月たかなか編『誕生! 手塚治虫』(朝日ソノラマ、1998年)など。
明治大学大学院国際日本学研究科客員教授。
1958年生まれ。東京工業大学卒。電機系企業勤務を経て2001年よりアニメ特撮研究家。文化庁メディア芸術祭審査委員、毎日映画コンクール審査委員、日本動画協会「アニメ産業レポート」執筆委員などを担当。文化庁向けに「日本特撮に関する調査報告書」「日本アニメーションガイド ロボットアニメ編」を共同執筆(2013年、2014年)。2014年より現職。著書に『世紀末アニメ熱論』(キネマ旬報、2000年)など。
明治大学総合数理学部准教授。
2004年東京工業大学大学院情報理工学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(理学)。電気通信大学大学院情報システム学研究科助教、独立行政法人科学技術振興機構 ERATO 五十嵐プロジェクト研究員、明治大学理工学部特任准教授を経て、2013年より現職。ユーザーインタフェースやエンタテインメント応用、音楽・映像分野との協調に興味を持つ。ACM・VR・情報処理学会各会員。2002年FIT 船井ベストペーパー賞、2010年日本VR学会 論文賞受賞。
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