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俳句-十七字の世界-


受講登録は終了しました

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  • 講座番号:ga007
  • 受講開始日:2014年8月25日
  • 想定される勉強時間/週:3時間程度

(2016/7/6追記)
本講座は(1回目)2014年10月15日をもって受付を終了しました。
現在、第2回(2016年8月2日開講)の受講登録を受け付けております。
こちらのページをご参照ください。

この講座には「通常コース(無料)」「反転学習コース(有料)」「反転学習コース 高校生特別枠(無料)」の3種類のコースがあります。

  • 通常コース(無料)
  • お申込み方法
    講座詳細ページ(本ページよりすぐにお申込みいただけます)
  • コース内容

  • 反転学習コース
    • お申込み方法
      外部サイト「Peatix」よりお申込みいただけます。
    • コース内容


    • 受付を終了しました
    • 高校生特別枠 (無料)
    • お申込み方法
      外部サイト「大手前大学webサイト」よりお申込みいただけます。(選考あり)
    • コース内容


    • 受付を終了しました

講座内容

外国人に向かって、俳句はわかりますかと訊ねるのは失礼だ、とよく言われます。今では、海外で俳句を読んだり作ったりしている人が少なくないからです。

それにしても、もし相手から、いや俳句というのはよくわからない、あれは一体どういうものか、と聞き返されたらどうでしょう。あなたは何と答えますか。

5・7・5の17字だとか、季語だとか、切字だとか、すぐに思いつく事柄が、いくつかありますね。しかし、それで俳句の説明がつくでしょうか。たとえば英語やフランス語のハイクでは、それら3つの条件が、どれも欠けていることが珍しくありません。

日本人の誰にもごくなじみ深い俳句は、実はとびきり風変わりで面白い詩のジャンルです。現に、俳句はたぶん世界最短の「まじめな」詩で、ことわざやコマーシャル・メッセージにも負けない短さです。ところが、それが実際にどれほど短いかについては、日本人自身でさえ、本当によく実感してはいないようです。

「閑さや岩に浸み入る蝉の声」――ほとんど意味不明の片言に近いこのようなテクストが、どのようにして「詩」であり得るのか、なぜ複雑微妙な意味をはらんで、読者に深い感動を与えるのか。芭蕉の数々の名句、現代の高校生の俳句、アメリカのハイクなどをじっくり読み味わいながら、そうした俳句の不思議なしくみと働きを、ご一緒に考えて見ましょう。

このコースでは、反転学習を行います。会場は西宮市夙川の大手前大学です。海あり、山あり、川あり、四季とりどりに美しい表情を見せるこのキャンパスに、どうぞ一度、脚をお運びください。

また私は大手前大学の通信教育課程で、俳句に川柳を加えて、「俳句と川柳」というeラーニング授業を担当しています。興味のある方は大手前大学通信教育課程Webサイトをご覧ください。みなさんの受講をお待ちしています。

第1週:俳句とは何か
俳句という17字の言葉の切れ端が、なぜ深く多彩な意味を生むのか。和歌、和歌から連歌へ、連歌から俳諧連歌へという流れの中で、俳句が獲得した独自の詩的特徴を見定める。
第2週:俳句の構造―基底部と干渉部
俳句はもと「俳諧連歌の発句」だった。「俳諧」の意味を検討し、芭蕉の句「山里は万歳遅し」などをくわしく読み解きながら、俳句の文体的・意味的な二重構造を明らかにする。
第3週:芭蕉の名句を読む―誇張と矛盾
俳句の「基底部」は文体的興味を支え、「干渉部」は意味の方向づけにかかわる。芭蕉の数々の名句を読み味わいながら、誇張と矛盾という基本的レトリックの働きをたしかめる。
第4週:俳句の英訳と英語ハイク
芭蕉の句で検証した俳句の文体的・意味的構造や、その働きを踏まえながら、英語に訳された芭蕉の句、英語で書かれたハイク、現代の高校生の俳句を鑑賞する。

講師・スタッフ紹介

川本 皓嗣

川本 皓嗣

<略歴>
1939年大阪市生まれ。学術博士(比較文学)。日本学士院会員。東京大学・大手前大学名誉教授。国際比較文学会名誉会長。元日本比較文学会会長。正岡子規国際俳句賞選考委員。

大阪府立住吉高等学校、東京大学教養学部教養学科フランス分科を卒業後、大学院比較文学比較文化専攻に学び、パリ大学に留学。東京大学教授。トロント大学東アジア学部客員教授、インディアナ大学高等研究所フェロー。2004年から2012年まで大手前大学学長。

主な著書に、『日本詩歌の伝統――七と五の詩学』、岩波書店、1991(1992年度小泉八雲賞、サントリー学芸賞)、『川本皓嗣中国講演録』(中文訳)、北京大学、2010、イーグルトン『詩をどう読むか』(邦訳)、岩波書店、2011など。

<プロフィール>
専攻は比較詩学・比較文化論。一国・一民族の枠には収まらない文学・文化の国際的な交流や相関関係を考察する。研究対象は主として東西の詩と詩学、文学理論など。東京大学とパリ大学でフランスの詩、ことに近代詩(いわゆる象徴派の詩)を学んだ。のち和歌・俳句など日本古典詩歌の理論的考察を進め、『日本詩歌の伝統』で歌語の「本意」・俳句の詩的構造・七五調の韻律を論じた。さらにイギリスとアメリカの詩に関心をひろげ、アメリカ詩の対訳・注釈付き選集『アメリカ名詩選』(共著)、英語詩への入門書を兼ねた『アメリカの詩を読む』などを出版した。目下は、一般に<詩とは何か>という視点から、掛詞 (pun) を中心に、日本(和歌、連句、俳句、近・現代詩、翻訳詩)・中国・欧米の詩と詩学を研究している。

現在、大手前大学通信教育課程『俳句と川柳』を担当している。

水野 達朗

水野 達朗

東京大学大学院総合文化研究科博士課程満期退学、専門は比較文学・近代文学、拓殖大学政経学部非常勤講師。

原山 重信

原山 重信

慶應義塾大学大学院文学研究科修士課程修了、東京大学総合文化研究科修士課程修了、専門は19世紀フランス文学・比較文学、慶應義塾大学・明星大学・杏林大学非常勤講師。

福田 武史

福田 武史

東京大学大学院総合文化研究科比較文学・比較文化専攻博士課程満期退学、博士(学術)、専門は上代文学、比較文学、東京大学大学院総合文化研究科東アジアリベラルアーツイニシアティブ特任助教。

前提条件

特別な予備知識や予習は不要。だが、この機会に(もしまだ持っていなければ)、手頃な芭蕉の注付き句集(『芭蕉全句集』角川ソフィア文庫、『芭蕉全句』小学館、山本健吉『芭蕉全発句』講談社学術文庫など)を一冊手もとにそなえておけば、生涯の楽しみとなるだろう。

課題内容

・各週課題:選択式の問題
・最終課題:レポート課題(800字程度)

修了条件

得点率70%以上


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  • 講座番号:ga007
  • 受講開始日:2014年8月25日
  • 想定される勉強時間/週:3時間程度